剣道 最近の自分の稽古9 当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

剣道 最近の自分の稽古9 当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。

 

当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

調子の良いとき、打った後は自然に、踏み込み後の二次跳躍をして抜けています。

もう少し詳しく書いてみます。

 

前回の書き込みを引用しますが、

 

右つま先の攻めで、滑らせるように前に進み、もうこれ以上我慢できない、
というところで

左拳を落としたら、一瞬の差で右手の親指中指でつくった指パッチンの前段階から、
指パッチンをしていきます。
その時の手の使い方は、親指の先端で相手の突きを狙って前に出します。
竹刀が面に当たったら右親指を緩め、返しをつくると冴えがあるように見えます。
左拳は、始動で落とした位置から鳩尾の前に、右手を突き出していくのと
同じタイミングで、上から押さえた形で持っていきます。
以上が面打ちです。

と書きました。
が、足の方を書いていませんでした。

ここからが足になります。

手の動きに関しては解説しました。
足はというと、剣道の熟練度というか、
子供の頃から剣道をやったか、
大人になってから始めたかの差が出ます。

足の方は、実はつま先から出していき前に攻め、
右足を落として(踏み込み)いきます。

この踏み込みなのですが、
多くの方が右膝の先端のポイントを、床に垂直に落としたとき、
踵の付くポイントが、膝先より体側に戻ってしまう方が多く見られます。

左足の位置で面打ちの竹刀到達ポイントは決まるので、
どこまで届くかという観点では、右膝、右踵がどこにあろうと関係ありません。

膝の真下に踵を付く方はかなり多いと思います。
私は右足を着地させる位置は、バランスを崩さない範囲で、
できるだけ相手に近いところが良いのではないかと考えています。

なぜかというと、打った後の体の寄りが、一歩で大きくできるからです。

右足を着いた後の足については、
私が淺川春男範士に教わった方法がよいと思います。

右足を着いたら着いた右足の腿を使って体を上方に持ち上げつつ、
左足を素早く引きつけながら前方に跳躍し、左足から着地し構えの足位置に、
右足も着地させ、送り足で抜けて間合いがキレたと思われるところで振り返ります。

言葉で書くとこのようになりますが、
別のかたの言葉も載せておきます。

いちに会というホームページを主催しておられる、Hideさんの解説を引用させていただきます。

以下引用

 単発の前方への「踏み込み足」は、基本の足型から、
—————————————————————-
1.左足を蹴り出し(一次跳躍)、右足を重心と一緒に前に送りだす
2.右膝を軽く屈曲させた状態で、指の付け根の足底部分から着地
3.右踵の着地に併せて床を踏み締め、右膝上の大腿直筋を使い、左
足を引っ張り込みつつ踏み込んだ反動で軽く跳躍(二次跳躍)
4.左足を「基本の足型」の予定位置に、指の付け根の足底部分から
着地
5.右足を左足に対して「基本の足型」の位置に、指の付け根の足底
部分から着地
—————————————————————-
ここで大切なのは、「踏み込み足」は一段ロケットではないということです。「右足で左足を引っ張り込む」という動作があるため二段ロケットになっています。上記した通り、左足で蹴り出す動作を「一次跳躍」、右足で左足を引っ張り込む動作を「二次跳躍」と名付けました。 したがって「踏み込み足」を指導する際は、ここまでをひとつの動作として教える必要があります。これを怠るとあとあと「蹴り放し」や「左足の遅れ」が深刻な技術的欠点として残ってしまいます。

引用終わり

という解説をしておられます。

 

稽古をしていてよく思うのは、
せっかく面に当たったのに、途中当たらないと思うのか、中途半端に止まってしまう場面がよくあります。
面が逸れたとき、自分でブレーキをかけてしまい、体当たりに成らない場面もよく見かけます。

打突部位に、当たっても当たらなくても、踏み込んだ後の二次跳躍で左足を素早く引き込み、
その勢いで、体当たりをするか、抜けて振り返る。

これを意識してやっています。

それではじめて、

当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

ができるのです。

剣道 最近の自分の稽古8 打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

剣道 最近の自分の稽古8  打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。

 

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

今回は

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

です。

 

打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

前回、左手を落としての打ち方には触れました。
もう少し詳しく書いていきます。

前回は、
面を打つのに、左手を落とし、右手で指パッチンして、
右手親指で相手の突きを突くようにします。
左手は落としたところから、
鳩尾の前に上から押さえるように持って行きます。
と書きました。
これが面打ちです。

もう少し詳しく書きます。
まず、あまり振り幅のない、速い面打ちについて書きます。
右足を出して構えのままで、相手の体に剣先が触れる直前まで我慢できるのが理想です。
そこから、左落とし・右親指突きを一瞬の時間差で行います。

左拳を落とす量ですが、私の場合は2~3cmです。
そんなに少し?
と思われるかもしれませんが、
それで十分面金よりも上にあがります。
右手は親指と中指でリングを作り、柄に斜めがけして固定する感じです。
丁度指パッチンをする前の状態です。
左拳を落としたとき、右手首は少し回転しますが、同じ位置をキープしてください。
前後上下に動かないようにします。

左拳を落としたら、一瞬の差で右手の親指中指でつくった指パッチンの前段階から、
指パッチンをしていきます。
その時の手の使い方は、親指の先端で相手の突きを狙って前に出します。
竹刀が面に当たったら右親指を緩め、返しをつくると冴えがあるように見えます。
左拳は、始動で落とした位置から鳩尾の前に、右手を突き出していくのと
同じタイミングで、上から押さえた形で持っていきます。

そして、大切なのが、
面は打突部で竹刀を止めるのではなく、あごまで切るイメージで打ちます。
むしろ「打つ」という言葉のイメージは忘れて、
「切る」という言葉を重視して下さい。
冴えのある、強い打ちになります。

以上が面打ちです。
言葉ではわかりにくいかもしれませんが、挑戦してみてください。

私の場合、面を打つときは全てこの方法で打ちます。
面打ちが非常に楽になりました。

 

この面打ちの変形で、もう少し大きく打つ方法があります。
左拳をやや大きめに落とします。
この時、右手を胴の方向に若干引きつけるようにします。
そこから指パッチンをしていきます。

どんな効果があるかは使ってみて試してみてください。
思わぬ使い方があります。
工夫してみてください。

 

打ったとき左手は鳩尾の前に、
右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

の詳しい説明でした。

 

剣道 最近の自分の稽古7 打つときにはまず左手を落とすこと

剣道 最近の自分の稽古7 打つときにはまず左手を落とすこと

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

 

7,打つときにはまず左手を落とすこと

面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

今回は、

7,打つときにはまず左手(左拳)を落とすこと

面・小手・胴の共通部分の最後です。

面を打つとき始動するのはどこですか?

面を打つには竹刀が相手の面金より上にあがり、
少なくとも先皮が面縁革までは届かないといけませんね。
身長差のある場合は面金でも良いと思いますが。

中には面布団を打つなんていうお方もいらっしゃいます。
たいていは体格の良い腕力のある、他人への配慮のない方ですね、はい。

うちの道場の大塚範士は存命中によく、
「剣道をやっているやつの中には、面は面布団を叩くというやつがいる。
それも、全日本選手権で優勝したようなやつがいう。
何もわかっとらん。
面は、左手を浮かせて、脳天を叩くんじゃないんだ。
面は額から切り込むんだ。
だから、面というんだよ。」
と嘆いてみえました。

 

中学生対象のトップアスリート招聘スポーツ講座でのこと。

以前かつての全日本選手権優勝者が来たことがありました。
そこで、
「面は面布団を打つ。」
とやったらしいです。

参加したうちの娘が
「145cmしかないのに、どうやって185以上ある人の面布団を打てるんや?
アホか!」
と嘆いていました。

確かに、身長150センチに満たない女子中学生が、
どうやって185センチの面布団を打つのか、是非解説し、実演してほしかったですね。

目の前にそういう子達がいるのに、
この子が自分の面布団をどうやったら打てるのかという発想ができないのですね。
つまり、自分の話していることの間違いに気付いていないわけです。

中学生は優しいので、
そういう難しい質問は、講師を困らせるだけなので、かわいそうだからしなかった、
という落ちがありました。
全日本選手権優勝者、大丈夫?

そういった剣道の訳の分からん人たちが、試合に強いからといって、
知ったかぶりで解説するというのが、非常に浅はかに思えます。

さて、脱線してしまいましたが、
面を打つには竹刀が相手の面金より上にあがり、
少なくとも先皮が面縁革までは届かないといけませんね。
身長差のある場合は面金でも良いと思います。
ということで、面を打つには剣先が面金より上がらなくてはなりません。
そのために、どんな体の使い方をするかなんです。

竹刀は二本の手で持っています。
構えた状態から剣先を上げるには、3通りの方法があります。

思いつくのは、
1,右手で竹刀を引き上げ剣先を上げる方法
2,右手はそのままで、左手を下へ下ろす方法
3,両方を同時にする方法

だと思います。

変形として、
4,両手を前に出す方法
というのもありますね。
両手で上げる方法です。

私は永いこと、右手で引き上げるか両手を前に出していました。
この、7年ほどは左手を落としています。

面を打つのに、左手を落とし、右手で指パッチンして、右手親指で相手の突きを突くようにします。
左手は落としたところから鳩尾の前に上から押さえるように持って行きます。
コレで面を打ちます。
ですから、肩の高さより上には右手は上がりません。

面打ちが非常に楽になりました。

それ以外の利点を次回書きます。

ですから、足がスタートしても構えのまま我慢した後は、
面打ちのスタートの動作としては左手を落とすことです。

7,打つときにはまず左手を落とすこと

です。

 

剣道 最近の自分の稽古6 右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

剣道 最近の自分の稽古6 右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

今回は6です。

「右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること」

さて、いよいよ打つばっかりになってきました。
しかし、まだ打ちません。

今回は、前回の続きで右足を滑らせて入りますが、
「手はギリギリまで動かさないよ」
ということです。

コレが実はすごく大事なことなのです。
前回は足の使い方だけ書きました。
じゃあ、その時手は何をしているのか?
どうしているのでしょうか。
実は基本的には何もしていません。
構えているだけです。

竹刀の動きで相手の「虚」を造ることもありますが、
基本何もしていません。

なぜか。
「蛇ににらまれた蛙」という言葉がありますが、どんな状況か分かりますか?
蛇が大好物の蛙を見つけたとき、蛙もこちらに気付いていた場合、
どうするか考えたことがありますか?

少しだけ条件をつけます。
蛇も蛙も圧倒的なスピードの差はありません。
ほぼ同じです。

蛇が食欲に負けて、蛙に飛びかかれば、蛙は跳んでくる蛇を見て逃げ切れます。
逆に、
蛙が恐怖のあまり先に跳んでしまえば、着地地点に蛇は襲いかかります。
つまり、先に動いた方が負けます。

いずれ心理戦が始まるでしょう。
あるいは、フェイントの応酬かもしれません。
蛇があきらめて立ち去るかもしれません。
こんな状況が剣道でも起こっています。
特に、年を重ねると圧倒的なスピードの差はなくなります。
経験の差になってきます。
どれだけ剣道の理合いを考えているかの差かもしれません。
スピードをつけることより、動きの無駄を削ることになるでしょう。

そんなことを踏まえての、
「右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること」
です。

 

剣道 最近の自分の稽古5 左足で間を盗み、右足で攻めること

剣道 最近の自分の稽古5 左足で間を盗み、右足で攻めること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

 

 

4,左足で間を盗み、右足で攻めること
5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

 

今回はいっぺんにふたつ解説します。

4,左足で間を盗み、右足で攻めること
5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

右足と左足の役割です。
それが理解できれば、このふたつがどうやって調和をとるのかに進みます。

構えの足の形ですが、
「右足と左足は左右の間隔がげんこつ一個ほどになるように、」
と教わると思います。
以前は私も、ちょうどげんこつ一個ほどの広さでしたが、
最近ではもう少し広めにしています。

何でといわれても特に理由はないのですが、股関節から真下に下ろすと、広すぎますので、中間にすると、そんな位置になるからでしょうか。
げんこつ一個の広さだと、すぼまるような気がします。

前後の位置関係は、右足のかかとの先端に左足のつま先が来るほどの位置。
が基本だと教わります。
しかし、実際もっと広いかたが多いようです。
私は基本形を、右のかかとの最後尾に左足のつま先としていますが、打つ直前には右足の中間あたりまで左のつま先は出ています。

それは、面のどこまで届くかは左足の位置によって決まるからです。
左足で体を押し出して打つ関係で、どうしても届く間合いは左足の位置に左右されます。
最近、触刃の間合いからほんの少し入ったくらいの間合いから打つことが多いので、このあたりに左足のつま先が来ます。

最近の稽古ですと、自分と互角ぐらいか下の人と稽古をするときは、非常に遠い間合いから攻める気持ちでやっています。

なぜならば、触刃の間合いであれば面に届くからです。
左足が右足の中間あたりまで出ていれば、普通に構えた一足一刀の間よりも近い打ち間ほどになっています。
しかし、相手が普通の足であれば届きません。
私は届きます。

繰り返していいますが、相手は歩幅が広く私は狭い。
自分からは届くが相手からは届かない間合いにいます。

間合いが遠いので、相手は長い道のりを跳んできてくれます。
私が打つときは、遠くに見えても間合いは実は近いので速く打てます。
そう思ってやっています。

コレが、「左足で間を盗み」です。
そして、
「右足で攻める」
です。
私は「気持ち」としての攻めは、前回書きましたように、
自分が主人公でストーリーを造って行きます。

攻めるとき使う部分が私は右足で、つま先を前に進めることが、私にとって「物理的」に攻めることです。

攻め口として、つま先を絶えず意識しています。
私にとってつま先を入れていくことが相手に突破口を開くことなのです。
もちろん、竹刀の動きも併用するのですが、あまり意識しません。

高段者の先生方は、
少々の竹刀の圧力や剣先で攻めを効かせても、知らん顔で通用しません。
動いてくれません。
攻めの側面として、相手に「四戒」を起こさせることがありますが、
剣先の攻めくらいでは、四戒に陥ってくれないのです。

竹刀の攻めでは動じてくれない。
では、どうすればいいでしょう?

「虚実」の戦いに持ち込みます。
虚実の戦いについてはまた後日ということになりますが、
虚実の戦いへの導入部分として、右足での攻めがあります。

左足は1~2cmかかとを上げ、しっかり床を踏んでおきます。
右足は足の裏全体をわずかに浮かし、前にそろりと進めます。
緩急自在。
左足は右足の中間あたりに持ってきてあれば、触刃の間合いからなら面に届きます。
右足の床からの距離は1cm程でしょうか。

イメージは
「機会が来たらそのまま下に踏む」
です。

相手は私の動きのどこかで何かを感じ、打突の動作に入るか、避ける体勢になります。
その時こちらはすでに上げている足を、「落とす」だけ。
事前に上げてある足を「落とせば」踏み込みになるという発想です。

相手はこちらの動きを「見て」あるいは「感じて」何かをしようとする。
こちらはそれに対し、読み通りであればそれに「先先の先」で応じ、
思わぬ動きであれば、反射的に「後の先の」技を出すだけです。

相手は、こちらをみて、足を上げて下ろす。
こちらはあらかじめ足を上げて入っているので、
読み通りであれば「先先の先」、
読みと外れて思わぬ動きならば反射で「後の先」です。
時間的には私の方が有利なはずです。

そんなことを考えて、

4,左足で間を盗み、右足で攻めること
5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

を心がけています。

 

剣道 最近の自分の稽古4 必ず自分から先をとって攻めること

剣道 最近の自分の稽古4 必ず自分から先をとって攻めること

 

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

 

必ず自分から先をとって攻めること

 

この気持ちを説明するにはふたつの言葉を整理しないと分かりません。
一つ目のキーワードは、
「先」
です。

三橋秀三先生の「剣道」にわかりやすく説明されていますが、それをさらに簡潔に説明してみます。

「先」の考え方には二通りの考え方があります。

まず、日本剣道形の「先」についてです。
剣道形における先は、「勝つ機会」のことを言っていて、「先先の先」と「後の先」があります。

もう一つの「先」は宮本武蔵の教えです。
宮本武蔵の教えでは、先は勝つ技術としての技を言い表しています。
「先先の先」、「先」、「後の先」があります。

剣道形での、
「先先の先」は「読み」による勝つ機会(1~3本目、5本目)。
「後の先」は「反射」による勝つ機会です。(4、6、7本目)。

宮本武蔵のいう、
「先先の先」は仕掛け技。
「後の先」は応じ技。
「先」は相打ち。

剣道形の考え方では、同じ技でも「先先の先」であったり、「後の先」であったりします。例えば出端面を打つ場合。
相手が面を打ってくるであろうことを「読んで」打った場合は「先先の先」。
相手が面に来ることを予知できていないうちに相手が面に来た、反射的に思わず打った面は「後の先」。

私の
必ず自分から先をとって攻めること
というのは、「読んで」打つほうの「先先の先」を意識しています。
反射で打つ「後の先」は意識して読んでは打てません。

そうはいっても、実は「後の先」も意識して使っています。
もう少し深い説明が必要なので、この辺はまたの機会になります。

もう一つのキーワードは
「攻め」
です。

「攻め」という言葉を使うとき、広い意味での「攻め」また、「攻め方」としての「攻め」の二通りの考え方になります。

はじめに広い意味での「攻め」についてです。

「攻め」とは?
と聞かれてあなたはどう答えますか?

相手の竹刀を押さえること。
中心をとること。
突きに向かって竹刀を出しながら一歩入ること。
色々あるでしょう。
それぞれも攻めには違いありませんが、それらは「攻め方」の範疇になります。
これは、またの機会に譲ります。

私の考えている「攻め」は、剣道形における「先先の先」を意識した「攻め」になります。ある先生は、
「攻め」とはイメージだ。
とおっしゃいました。
意識がイメージとなって相手を脅かすことだと。
それが攻めだということでした。

また、ある先生は
「攻め」とは構えだ。
私は剣先10センチの幅で相手を制し、打たれない。
ということでした。

私は「攻め」とは、
自分が主人公になり、自分の動作に対し相手がどう反応し、
それに対し自分がどうやって対処するかを考えて行動すること。
そう考えています。

「先先の先」の意味する「読み」の部分を意識しています。
もう一つのポイントは、自分が主人公であることです。

相手がこう来たら、からのスタートはあり得ません。
あくまで、自分がこうしたら、から始まります。

このふたつを合わせた
「必ず自分から先をとって攻めること」
を意識しています。

剣道 最近の自分の稽古3 絶対に下がらないこと

剣道 最近の自分の稽古3 絶対に下がらないこと

 

最初にお断りします。
これからこのブログにに書いていくことは、剣道を学ぶ上で正しいことではないかもしれません。
今までに色々書かれた剣道の指導書の内容を否定するものでもありません。

一人の剣道愛好家が自分を実験台にして、試行錯誤して得た過程に過ぎません。
もう何年かすれば、違うことを言っているかもしれません。
ですから、あえて結果ではなく過程なのです。

そんな程度のことだと思って読み飛ばしてください。
でも、「結構これ良いかも」、なんて思ってくださったら幸せです。

 

こんな方にはお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

これからこまめに書いていく予定です。

 

 

2,絶対に下がらないこと

何年前だったでしょうか。

もう忘れてしまったくらいです。
たぶん、六段を受ける少し前でしょうか。
三十代半ばを過ぎた頃だと思います。

自分の剣道を考えたとき、どうやれば今以上に進歩できるのか?

「剣道で、これから何をやれば良いのか?」

五段を受ける前、三十代に入ったばかりでした。
ふくらはぎの断裂を二度経験しました。

はじめは、剣道の稽古中でした。
名城大学で大学時代の恩師との稽古でした。
久しぶりに先生と稽古ができることが嬉しくて、良いところを見せたくて、
張り切りすぎていたかもしれません。
五段受験に向けての稽古に、真剣に取り組んでいた頃です。

当時の私の剣道は左脚に力をため、いつでも出端面に跳び込めるようにしていました。
ですから、稽古が終わると左ふくらはぎがパンパンに張っていました。

もう少しで稽古時間が終わるという頃、最後に先生と地稽古をしていたとき、
先生の面の出端に面を打った瞬間でした。
後ろからふくらはぎを棒か何かで叩かれたような感じがありました。
思わず後ろを振り返りながらすり抜けようとしましたが、左ふくらはぎに違和感があり、
体重をかけることができませんでした。

痛みはそれほどないのですが、体重がかけられない。
そんな感じでした。
時間がたつにつれ痛みも増し、腫れてきてだんだんふくらはぎが太くなっていくようでした。
その日は杖の代わりに、先生の自転車にまたがり、飲み歩いきました。
案の定、翌日になっても痛みは引きませんでした。

月曜になって病院を受診すると、筋肉の断裂(肉離れのひどい症状)の診断。
圧迫包帯で固定して運動はしないようにとのこと。
当然稽古はできません。
仕事は朝から晩までパソコンの前で図面を引く仕事だったので、
それほど影響はありませんでした。
しかし、頑張って目指していた五段審査は見送りとなりました。

ご丁寧なことに、そろそろ圧迫包帯をやめても良いといわれたころです。
ほんの1cmほどの段差につまずいて左足で支えたところ、おなじ箇所をもう一度断裂してしまいました。

2度目は用心に用心を重ね、稽古を再開したいのも我慢しました。
意識的にタンパク質を摂取し筋トレに励み、もうコレなら絶対大丈夫と確信が持てるまで待ちました。

しかし、今まで通りの剣道では何度も同じことが起こるということが頭にありました。
「筋力に頼った、瞬発力を使った剣道はもうできない。」
この頃は、左膝をまげ、ためた状態を造り、いつでも爆発的なダッシュができるようにしていました。

剣道についてたまたま読んだものの中に、「骨で支える」と書いてありました。
いつも、稽古が終わると両ふくらはぎがパンパンに張っていましたので、一度やってみようと思い、再開した稽古で試してみました。

打つときは、左膝を伸ばしたまま、じわっと足の裏で床を押し、左のおしりを前に送り出しつつ、右のつま先を出していく。
そういう剣道です。

確かに以前の稽古に比べ、ふくらはぎに負担はかかりません。
ただし、面打ちの感覚が全く違うので、しばらく慣れが必要だと思いました。
結果的に今でもこの体の使い方の延長で剣道をやっています。
さて、
「絶対に下がらないこと」
というのは、実は変えた打ち方では「下がれない」のです。
ですから、「絶対に下がらない」と決めました。

左膝の裏を伸ばし(膕ひかがみを伸ばす)、すらっと立ちます。
この時、左膝を完全にピンピンに伸ばしきるのではなく、ほんの少し余裕を持たせます。

しかし、左膝を曲げて蹴り出すためにためる形にして、かかとを割と大きめに上げて準備する人が多いので、はじめはピンピンに伸ばすぐらいの感覚の方が良いかもしれません。
なれてきたら膕を伸ばすのですが、少し余裕を持たせます。

左のかかとは1~2cm床から離すようにします。
左足一本で体重を支え、床を押して腰を進めて行くには、これくらいでないと持ちません。
ですから、俗に言う「左足が遊んでいる」という形にはなりようがありません。
右膝には余裕を持たせます。

後にも出てきますが、左足で間合いを盗み、右足で攻めるということをやろうと思うと、後ろに下がることは出来ません。
なぜなら、左足一本で立ち、右足を進めることで攻めるからです。
右足を床に着いていれば下がることが出来ますが、浮いているので前にしか出られないのです。

この剣道をやるに当たり、決心が必要でした。

自分は道場で教えてはいますが、俗に言う剣道のプロとしての修行は積んでいません。
教員や警察官になって剣道でメシを食っていくというつもりはありませんでした。
ですから、仕事と両立させて剣道を楽しむのが私のスタイルです。
このスタイルで教員や警察官などと対等以上にやろうとすれば、剣道の質を高めるしかありません。

剣道の質とは何でしょうか?
剣道の質の向上は、自分の目指す剣道にこだわることだと私は定義します。
俗にいう「良い剣道」とはなにか?
それにつきます。

それでは私にとっての「良い剣道」って何だろう?
一般論ではありません。
あくまでも、私にとっての「良い剣道」でいいのです。
それを目指します。

子供の頃から、先生方に言われてきた剣道についてのことを色々思い出して考えました。
そして、自分のやりたくないことはどんどん削っていくことにしました。
やりたくないことの練習はしない。
そうすれば、剣道の稽古に使える時間を有効にできる。
決めました。

やりたくないことは、
1,タコ踊り
今が盛りの「三所隠し」です。
中学校の試合では反則になっていますが、その反則をとれない審判が多いのです。
自分が普段の稽古でやっていることは反則にとれませんよね。
高校生や大学生、一般の試合では当然ですが、反則にはなりません。
コレをはやらせた有名選手が八段になったことも有り、
八段戦でも目にすることが出来ます。
私はとても恥ずかしい。

2,避けるだけ
「剣道には避けるだけの技はないんだぞ。」
と教わってきました。
自分が打ったら全て一本にする。
また、相手が打ってきたら全て応じて一本にする。
と決めていますので、コレもあり得ません。

3,下がること
そもそも、出たり下がったり駆け引きを使うことをやめました。
出るのか下がるのか自分で決められない状況を悩んで練習するより、
「前に出るだけ」
と決めた方が、ただそれだけの練習をするだけなので、
何度も何度も有効に時間をかけることが出来ます。
ですから、下がることはやめました。

これが、三大やりたくないことになります。

剣道 最近の自分の稽古2 すらっと立つ

剣道 最近の自分の稽古 2 すらっと立つ

 

最初にお断りします。
これからこのブログにに書いていくことは、剣道を学ぶ上で正しいことではないかもしれません。
今までに色々書かれた剣道の指導書の内容を否定するものでもありません。

一人の剣道愛好家が自分を実験台にして、試行錯誤して得た過程に過ぎません。
もう何年かすれば、違うことを言っているかもしれません。
ですから、あえて結果ではなく過程なのです。

そんな程度のことだと思って読み飛ばしてください。
でも、「結構これ良いかも」、なんて思ってくださったら幸せです。

 

こんな方にはお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

これからこまめに書いていく予定です。

 

1,すらっと立つこと

これだけ見ると、
「なんのこっちゃ」
と思われるでしょう。
丹田に力を入れ、おしりの穴をきゅっと締め、
左足は道場の床に根が生えたようなイメージで立つ。
というような、構えについての表現を読んで、自分でもやろうとしたことがあります。

全部ではなくて、
丹田に力を入れるとか、
おしりの穴を締めるというのは聞いたことがあると思います。

 

いろいろな表現で構えについて書かれているものがありますが、
自分としては、体を上手く使うにはどうしたらいいのだろう。

そんなところから考え始めました。
相手を遠山の目付で観て、相手の動きに対して自由に動こうと思ったら、
力を入れていたら動けないと思いました。
力を入れていたら、一回力を抜かなければ動けない。

力を入れるということは、方向があります。
どちらかの方向に力を入れるわけです。
しかし静止している。
筋肉に力を入れながら逆の力も加え動かないように打ち消して、構えているわけです。

「立つ」という体の使い方は、重力に対しての反発力で立っています。
力を入れていないようでも、両足には体重を支える力が働いています。
そうやってバランスをとって静止しています。

「丹田に力を入れる」
へその下を意識するくらいのことではないでしょうか?
本当に力を入れてしまったら、動くためには緩めなくていけないような気がします。

おしりの穴もそんなに意識していなくても、
普通にしまっていれば良いような気がします。
なにより、感じるのは、力を入れるということは
「かっこわるい」
ような気がします。

済みません、イメージで。
私が武道に対して持っているイメージなのですが、
筋力・腕力・脚力・力を入れてのスピード、渾身の力、
そういった体の使い方とは違った、体の別の理屈を使うのではないかと思います。

相手との、ほんのちょっとの時間の差を作る。
相手の意識していないところの動き(虚)を誘い出して、実で打つ。
相手の「剛の技」に対して、「柔の技」で捌く。
いくつかの関節が連動して動くときの、関節角度の逃げや、たわみ等、
そういったものを使っていくのが武道としての剣道じゃないかと思います。

素手で行う武道では、
どんなきれい事をいっても体格差が圧倒的にものをいいます。
剣道では道具を使うぶん、体格差は克服できる範囲になります。

力に頼らない、スピードに頼らない、体格に頼らないそんな剣道がしたいと思います。

話は回り道しましたが、何を言いたいかというと、
こんなことを剣道で表現したいのです。

それは、
力を入れず強い打ちができる。
力を入れずスピードが出る。
つまり、
筋力・瞬発力がなくてもスピードがでる。
力を入れなくても、大きな力が相手に伝わる。
相手の反応が遅くなる。つまり、相手が気付くのが一瞬遅れる。
そんなことを目指したいなと。

その第一弾としての、
1,すらっと立つこと
です。

すらっと立つことは、全く力が入っていないわけではありません。
先ほども書いたように、重力に耐え、体重を支えています。
十分力は入っています。
それを忘れて(力を抜いた状態で)、たとえ背が低くても、自分はすらっと立っている。
そうイメージしたいです。

「重力」はだれにでも均等にかかっている力です。
体重の重い人ほどたくさんかかっているような気がしますが、それは無視してください。

下に向かって動くときの、重力による加速度は同じです。

自分の持っている重力によるエネルギー(位置エネルギー)を意識したいのです。
背の高いやつの方が有利じゃないか?
そういう誰かとの比較を考えません。
自分には位置エネルギーが有るということだけ考えます。
そこに働く重力は同じで、しかも下向きに働く力は重力しかありません。
どんなに頭上の空間を手で押しても下に落ちるスピードはかわりません。

すごい筋肉隆々の力持ちや、稽古を子供の頃からバリバリやった警察の猛者の人たちは、
そんな重力のような、だれでも平等に持っている力なんかには頼りません。
鍛え上げた筋力と瞬発力を使います。
なぜなら、そこの勝負であれば私たちに負けるわけがないからです。

ですからこそ、我々のチャンスです。
そう考えましょう。
私たちには平等に重力があります。
ですから力を抜いて、すらっと立ちます。

そして、その姿にこそ位置エネルギーが満ちあふれていると信じましょう。

まずは、ここまでです。

剣道 最近の自分の稽古1 剣道とは

剣道 最近の自分の稽古1 剣道とは

 

永く剣道をやってきましたが、

最近の稽古で、以前なかなか打たせてもらえなかった先生方に、自分でもいいところが打てたかなと感じることが多くなってきました。

 

稽古している内容が身についてきた結果、自分の理想の剣道に近付いているのかなと感じています。

 

普段の稽古で気をつけていることは、面・小手・胴それぞれについて書いてみると以下のようになります。

「突き」が入っていないのは、私にとって「突き」は攻めの手段で、打突部位だという意識がほとんどないからです。

唯一、相手が気を抜いて突きががら空きの時、片手で突くことはありますが、攻め入ってそのまま諸手突きという技は私にはありません。

背が低く腕も短い私が諸手で突くことは非常に危険で、今までとれる技だと思えなかったからかもしれません。

 

さて、面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

小手の場合は

7までは同じで、

8,打ったとき左手は構えの位置、右手は落として指ぱっちんをすること

9,同じ

 

胴の場合

7までは同じ

8,相手の変化によりまっすぐ出した右足を右に方向を変えること

9,竹刀を持っていることは忘れ、5cmのカッターナイフで相手のへそを切るイメージを持つこと

10,打ったとき左手は右手に付くように滑らせへその前(左肘から手首付近まで胴に密着させるつもりで)に、右手も肘を胴に密着させ強く落とすこと

11,そのまま足で抜くこと

12,面も小手も同じなのですが、特に胴は相手から目を離さぬよう振り返って構えること

 

こんなことを心がけています。

 

面も小手も胴も、7までは同じなのは理由があります。

気持ちとしてはどんなときも、面を打つんだというつもりで攻めています。

正確には、相手に機会を捉えさせ出端面を打たせるために前に出ます。

 

つまり、相手にこちらの起こりを捉えさせ出端面を打たせ、その出端面に対しこちらが出端面を打つ、ということです。

気持ちの中に打ってやろうという気持ちがあると相手に伝わり、避けられたり逃げられたりしますので、できるだけ気持ちは穏やかに、機械的に打たれに出る方が相手は反応して打ってくれるようです。

 

理屈としては、

相手が動かなければ自分は打てません。

相手を動かすには相手がいただきっと思って打てる機会を作ってやれば、相手は動きます。

こちらから打たれに出たのですから、こちらが作ったタイミングです。

ですから、そこで打てばいいのですから、こちらが打てます。

 

理屈としてはこういうことです。

が、そんな簡単にできません。

私も相当の時間が掛かりました。

 

けれども、

道場の高校生で一番速い面を打つ男の子には大丈夫です。

大学生はあまり稽古をする機会がないのすが、以前ある大学のポイントゲッターで、得意技は出端面ですという方と稽古をしたときは、上手くできました。

スピードだけの勝負ではないので、こつはあります。
もう少し深い理屈もあります。

もっと年をとると分かりませんが、今のところ理屈通りに体は動いてくれています。

 

以前は稽古が終わると、左ふくらはぎがパンパンに張っていましたが、今は全くなくなりました。

間合いも以前よりも遠くから面が打てるようになりました。

 

つくづく剣道は理屈だなあと思います。

 

昔、お年を召された先生にお稽古を頂戴したとき、なすすべもなくやられたのは、こういう技を使われたのだろうかと想像しています。

 

私が今、師と仰ぐ先生は、腕力勝負でない、スピード勝負でない、だましあいでない、求めていた剣道をされます。

 

はじめて稽古をお願いしたのは40代後半でした。

以前からお名前は存じ上げていましたが、お稽古を頂戴する機会がなかったのです。

 

訳の分からない感じの面を頂戴しました。

何本も打たれました。

 

そこから、今まで自分がやってきた剣道はいったい何だったのだろう?

という疑問が生まれました。

 

試行錯誤しながら色々試し、何度も先生に稽古をお願いしました。

「まだまだ。」

「僕とやったときはいいけど、○○さんとやるとまた当てっこになったね。」

 

 

先日稽古をお願いしたとき、

はじめ、私が打った面を二本、胴に返されました。

その後、手元を動かすのをもっと我慢していったら先生が小手を、その小手を擦り上げて面が決まりました。

先ほどと同じようにぎりぎりまで我慢して面に行きましたら、先生が胴を返すために手元が上がるのが分かり、思わず小手を打っていました。

さらに同じくギリギリまで突きを攻めて入ったところで今度は竹刀を表から押さえられました。
左拳を落とし押さえられた竹刀を上にかわして面が入りました。

「参った。」

稽古の後で、

「今日ははじめの返し胴の時、面をまっすぐ打ち切っていた。それが良かった。他の人とやっている所も見ていたが、とても良かった。」

といってもらえました。

 

何よりうれしいお言葉でした。

 

私の場合の、剣道の基本をこれから何回かに分けて書いていこうと思います。