こんな質問がありました。

勉強になることがたくさん書かれていて、ありがたく読ませていただいています。

面を打つ時左手を落とすと書かれていますが、真下に下げる動きで良いのでしょうか。

少し詳しく説明して頂けますか。面打ちで試行錯誤しています。

 

ということです。
大変お返事が遅くなってしまいまして申し訳ありません。

 

結論から申し上げます。

私の感覚では、左手は「真下」が良いようです。

もう少し詳しく書いていきます。

 

真下に「下げる」と書くと、力を伴って意識的に下へ移動させるような感覚が私にはあるので、

力を入れて手を下へ持っていくのではなく、「重力に逆らわず落ちるに任せる」そんな感覚です。

 

 

ここからは余談、蛇足になりますが、

解説している言葉には、自分の体の感覚に対するだましが入っていることがあります。

できるだけ「力」が入るような表現を避けたいのです。

構えたときの左手の位置から、重力に逆らわず左拳を「落とす」。

真下へ落ちていくイメージです。

 

なぜこんな面倒くさい表現するのかというと、

この場面ではできるだけ力を抜いた動きをしたいからです。

初心者の子供たち、「足捌きは「すり足」で」、といえばきちんと「引きずり足」をやってくれます。

面打ちなどで打ちが弱いといわれることがあります。

強く面を打つにはどうしたら良いでしょうか?

力を入れて打てば強い打ちになるでしょうか?

力を入れれば強い打ちになるでしょうが、それでいいのでしょうか?

おそらく力を入れた強い打ち方は、「冴えがない」。

 

冴えがある打ちは痛くない。

などともいわれています。

しかし、冴えがある打ちを見せて頂くと、左手が甘い。

当たる瞬間、左手が浮くのです。

 

もう一つ。

「冴え」ある打ちにするために、目標が面布団になっている。

痛くない打ちにするためには面布団に当たったときには、竹刀の下向きの動きは止まっていなければいけない。

そのために、せっかく剣先を加速して速く振っても、すぐに急ブレーキをかけなくてはいけません。

 

強い打ちが求められるのに、強く打つと冴えがない。

矛盾を感じませんか?

 

「冴え」に対して、私は独自の定義をつけました。

これが正しいかどうかはあえて問いません。

私にとっての「冴え」の定義です。

 

「冴え」のある打ちとは、

力を入れていないのに強い打ち。

このように定義しました。

 

ここには、痛いとか痛くないは関係ありません。

むしろ、強い打ちは痛いのは当たり前じゃないですか。

しかし、力は入れません。

 

簡単なことですよ。

面布団を叩くという意識から、額から切り込み顎まで斬る意識に変えるだけです。

これだけで、力を入れなくてもかなりガツンと強い打ちになります。

 

もう一つ良いことがあります。

間合いです。

面布団を叩くには、面の輪よりも先革が5~10cm面布団の上に行っていないとできません。

額から切り込むイメージでは、面の輪に先革が乗れば良いので、

後5cm詰めないと面布団には届かない、と思っていた間合いからでも十分届きます。

しかも顎まで斬るので強い打ちです。

剣道では1拍子で打て、といわれます。

 

私の妻はピアノをやるので、剣道の1拍子は音楽では2拍子だと以前から指摘されていました。

確かに多くの先生は、速く「上げ、下げる」素振りを1拍子だとみなしています。

どんなにがんばっても、速い2拍子には違いありません。

 

剣道では竹刀を二本の手で持っています。

両手を使って「上げる、下げる」という逆方向の動きをすれば、どんなに速く振ろうと、

二拍子の動きにしかなりません。

 

左手落として右の親指を突く方法の面打ちでは、それぞれの手は分担が決まっていて、

一つの方向しか動きません(実際には左手は真下に落とした後、右手にって前に出て鳩尾前に収まります)。

 

左(落とす)・右(突く)のタイミングを限りなく近づけていけば、

ほぼ1拍子(実際には1.1拍子~1.2拍子?)になります。

 

ほぼ1拍子なのに、速い・振りがある・打ちが強いと3拍子そろっています(笑)。

 

「刺し面」といわれる、両手を前に直線的に刺すようにして打つ、速い面の打ち方があります。

確かに、1拍子に近い打ちですが打ちが軽い。

高校生や大学生、一般のかたはほとんど使っています。

脚力に自信がある場合、遠めの間合いから直線的に打ちます。

 

脚力の落ちてきたかた、

剣道にブランクのあったかた、

成人してから剣道を始められたかた、

女性のかたは、

若い男子の刺し面、速い面を苦手とするかたが多いと思います。

私の打ち方を上手く使うと、気持ちよく対処できます。

 

ヒントは、

1,面一本の距離を、相手が7自分が3くらいの気持ちで打つこと。

2,自分から相手が打ちたくなるきっかけを作ってあげる気持ち。

3,スピードに対してスピードではなく、相手に打つきっかけを作ってやって、後は自分がやることをやるだけと割り切ること。

 

1,について、

相手が自分の2倍のスピードがあっても倍以上の距離を動いてくれればなんとかなるさ。

きっと対処できます。

 

2,これが先を取るということです。

先先の先です。相手が出端面を打ちたくなるきっかけをこちらから作ってあげます。

 

3,打った打たれたではなく、剣道の理論を体で表現できるかの練習です。打たれにいく気持ちが大切です。

試行錯誤して、間合い、タイミング、打ち方等を模索して、得意技にしていく。

 

「打たれたくない気持ち」が強いと、理想の剣道からは遠ざかってしまうような気がします。

剣道 最近の自分の稽古11 胴の打ち方

剣道 最近の自分の稽古11 胴の打ち方

面、小手ときまして、次は胴の打ち方です。

 

面にはこだわって最高の面打ちを目指しておられるかたは多いと思います。
審判を見ても、面は何となく雰囲気で当たったかどうか怪しい打ちでも旗を上げるのに、全く胴には旗を上げないという場面に出会います。
引き技を一切上げないかたもみえます。

試合で一本に取るべき打ちであっても、人によっては全く旗を上げないのが胴です。

「自分の打てない技は一本として取ることができない。」
ということがよくいわれます。
つまり、胴の打てる人が少ないということです。

引き技についてもこれはいえます。
引き小手と引き胴が取れない先生が多いように感じます。

 

「胴」という打突部位について考えるのですが、

胴を斬るという技は刀を持った実戦では、あまりなかったのではないかということを。

胸部には肋骨があり骨が肺を守っています。

しかし、胴言い換えると腹部は筋肉のみで骨には守られていません。

鎧の胴が有る状態は守られていますから、戦国時代には胴部を斬るということはできませんでしたし、面や小手にも同じ事がいえます。

面には頭蓋骨があり、小手には橈骨(橈骨)・尺骨があります。
骨もろとも斬るということが必要になります。

ところが、胴(腹部)には骨はないので、振る刀には勢いは必要有りません。
刃が触れたところで押せば、ズブリと入っていきます。
最も柔らかいところを斬るのです。

大振りをする必要などなく、突けばズブリと・・・
胴を「斬る」ということはなかったんじゃないかと思います。

 

 

 

さて、具体的な胴の打ち方です。

「胴は前で打つ。」

「コンパクトに打つ。」

「すり足で打つ。」

この3点がミソになります。

 

胴を打ったときの姿は、両脇を締め左拳は構えの位置(脇が締まり拳が下がり胴に両肘が密着する)で、柄を持つ左手はすべらせて右拳につけ、相手の右胴を打ちます。

このとき竹刀を持っていることを忘れたほうがうまく前でコンパクトに竹刀を回すことができます。
竹刀を振るイメージがあると、どうしても大振りになり大きな軌跡を描こうとします。

これでは素早い胴打ちはできません。

どうすればいいか?
竹刀を持っていることはどこかにおいといて、5cmのカッターナイフで相手のおへそを切る。
そんなイメージを作ると竹刀がコンパクトに扱えます。
もう一つ、胴打ちの練習は、胴を二回切るようにします。
二回切るとは、逆胴・右胴の二回切ることです。

前で打つ、コンパクトに打つ、すり足で打つ
この練習をどうやってするか?

自分ひとりで行う場合は、

空間打突でイメージを作ります。

1,構えた姿勢。

2,構えたまま右足を前方すべらせながら攻め入ります。

3,30~40cmほど右足を前方に滑らせたら、軌道を右前に変えます。

4,右足の進む方向を右前に変更したら、足を着くタイミングで逆胴を斬ります。

5,右足を着いたら上に伸び上がりながら素早く左足を引きつけます。
左足を床に着くタイミングで右胴を斬ります。

6,竹刀操作のこつは、竹刀を持っていることを忘れること。
5cmのカッターナイフで相手のおへそに×印を書くつもりです。

 

相手がいる場合

相手がいる場合、練習方法は二通りに分けます。

 

一つは相手が位置を動かない場合です。

基本的に行うことはひとりで行う場合と同じです。

1~3は全く同じで、

4,足を突くタイミングで相手の逆胴を斬るのではなく、鍔を斬ります。

5,相手は鍔に竹刀が当たったタイミングで両手を上げ胴をあけます。
このとき左足を素早く引きつけながら右胴を斬ります。

6,のコツは同じです。

この練習は相手に面を打たせ、抜き胴を打つ練習になります。

相手の鍔を右から叩く動作は、一歩入りながら竹刀を一度右に開くことになるので相手にとっては面ががら空きに感じられます。

相手ががら空きの面を打つ、そこでコンパクトに胴です。

 

 

二つ目は相手が面を打ってくる場合です。

1,構えた姿勢。

2,構えたまま右足を10cmほど前方に滑らせたところで、相手は小さく早い面を一歩踏み込んで打ちます。

3,右足の軌道を右に変えます。

4,右足の進む方向を右に変更したら、足を着くタイミングで逆胴を斬ります。

5,右足を着いたら上に伸び上がりながら素早く左足を引きつけます。
左足を床に着くタイミングで右胴を斬ります。

6,のコツは同じです。

この練習は返し胴を打つ練習になります。

逆胴・右胴と斬るよりも応じ返して胴のほうがはるかに楽に打てます。

返すときに頭上まで手元を上げなくても、相手の面を応じ返すことができます。

 

胴打ちは以上です。

剣道 最近の自分の稽古10 小手の打ち方2

小手の打ち方 その2

 

前回は、相手の剣先を上から越える方法でした。
今回は、相手の竹刀を下からくぐらせての小手を解説します。

 

その前に少し攻めのことを書きます。

 

「攻め」

攻めとはなんでしょう?

 

色々な人が攻めについて書いてみえます。

例えば、

攻めは「構え」だ。

攻めは「イメージ」だ。

 

私は子供達に「攻め」を説明するときに、

「自分が主人公になって相手を打つために、
僕がこうしたら相手はこうするから、こうやって打つ。
ということを考えてすることだよ。」

と説明しています。

「だから、相手が○○したらこう打つなんていうのは攻めじゃないよ。
自分がこうしたら、からスタートして考えるよ。」

なのです。「攻め」の言葉としてのイメージはこのようになります。

 

では、実際には「攻め」はどんなことをするのかです。

 

「攻め」の目的の一つは相手に「四戒」を起こさせることです。

「四戒」とは?

驚・懼・疑・惑、という心の中に起こしてはいけない四つの心の状態です。
順に説明すると、

1、驚(きょう)
驚くこと。
予想しない相手の動きに驚くと、混乱し適切な判断力を失い、時には茫然自失するときもあります。

2、懼(く)
恐れること。
恐怖の気持ちが生まれると、精神の活動が止まって、ひどいときには手足が震え、自由に動けなくなります。

3、疑(ぎ)
疑うこと。
疑う気持ちが起きると、相手を見定めることができず、自分の心にも決断が着かず、判断・動作ができなくなります。

4、惑(わく)
惑うこと。
惑うときは、精神が混乱して正確で敏速な判断や、即座の動作ができなくなります。

 

つまり、攻めによって相手にこれらの心の状態をおこすことです。

 

もう一つの目的は、相手に「虚」の状態を創ることです。
相手に「虚」の状態を起こさせ、それに対し「実」で打ちます。
「虚」とは、頭では自分の体の各部に命令していないのに、体が勝手に反応している状態です。

 

攻めをからめた小手を考えてみます。

初めに、上から落とす小手の場合。
一つの打ち方として、相手の竹刀を表から押さえ、
左拳を落とすことで自分の剣先を上に抜き、
相手の剣先が戻ろうとするところへ、右手を落として小手を打つ。

相手には押さえられた力に対して、戻そうとする力が働き、
それが本来の位置よりも行き過ぎてしまったところを打ちます。

2番目に、よく似た攻め口として、同じように表から押さえ、中心を取り、中心を取ったまま面を打つ。
3番目、2の要領で表から剣先を押さえ、そのまま面を打つ時、相手が面を避けようと手元が上がるところに、小手を落とす。
4番目、2の要領で面を打つ時、手元が上がるところに右胴を打つ。

全く同じ表から押さえてからの技が、多種多様にあるので同じ攻め口だからといって相手は予測が付かなくなります。
こうしたときに、相手は同じ攻めからの変化に「驚き」、「惑う」のです。

 

また、大きく押さえるだけでなく、竹刀の厚み分押さえることで相手に気づかれず押さえた状態を作り、左拳を落とすことで緩い押さえを解くと、相手が気づかない(意識しない程度)戻りが生まれます(相手の虚)。
「虚」の戻りに対して、こちらは「実」で右手を落とし小手を打ちます。

 

さて、「右手で竹刀を引っ張り上げて打つ」ことをしなくなると、とても打ちが速くなります。
「1拍子」の打ちに近くなります。

「1拍子」での打ちを実現するには、一つは「落として斬る」こと。

そして、もう一つ。
円運動で「斬る」ことです。

円の動きには逆方向への方向転換がありません。
ぐるっと回って打つ方向を変えても1拍子です。
気をつけることは、「刃筋」です。

円運動を利用して落として斬るのです。
そのとき「刃筋」を通す。

 

今回の下からの小手ですが、詳しく順を追って書いていきます。

お互いに中段の構えをとり、遠間から蝕刃の間合いへ、表で剣先を合わせます。
ここから一足一刀の間合いに入りますが、大きい足は使いません。
じわりと右足つま先をすべらせて間合いに入ります。
間合いに入っても右足は床に体重を乗せません。

右足が出るのに合わせて、剣先を相手の竹刀の真下に入れ相手から隠すようにします。
相手の竹刀の下に自分の竹刀を隠して、相手の鍔の下側を伺うようにします。

ここからいくつかのパターンに分かれるのですが、

1,相手にとって、こちらの竹刀がみえなくなり面ががら空きに感じ、ここぞと速い面で飛んでくるものがいます。この場合には、あらかじめ面に来る事を予想しているので、出小手または面返し胴を打ちます。
こちらの面をがら空きにして、竹刀を隠してしまうのですから面に自信のあるものであれば、当然の打ちです。

2,相手がそのまま動かない。
なにか、罠があるような気がして警戒して何もできないところです。
ここで、相手の竹刀に自分の竹刀を巻き付けるようにして巻いて小手を打ちます。
注意することは、平打ちにならないこと。
小手を打つときには必ず刃を下に向け刃筋を通して打つことです。

3,こちらの竹刀を押さえる、又は上から叩く、押さえての面を打ってくる。
このときは、相手の竹刀が下向きの動きをするわけですから、下に向かって動き始める時を狙って、こちらは相手の押さえをかわして面に行きます。
相手に逆方向の動きをさせ、そのとき打ちます。
これは、相手の下段に入れたとき以外にも使える攻め口で、相手がこちらの竹刀を押さえに来るとき、払いに来るときに応用できます。

 

小手の打ち方といいながら、「攻め」の説明になりました。

優秀指導者育成講習会に参加しました

平成29年6月3日、岐阜メモリアルセンター剣道場にて、剣道範士 島野泰山先生による、指導者育成講習会が開催されました。

 

その中で、覚えておきたいことばがありましたので、ここに備忘しておきます。

「と、て、が、無し」

これだけを聞くとなんのことだかわかりませんが、攻めと打ちに関する考察になります。

 

島野先生の若き頃、九段範士(名前は失念)の先生から聞いた言葉だそうです。

 

と、

攻め と 打ち

攻めと打ちがばらばら。

これでは二拍子になり避けられてしまう。

 

て、

攻め て 打つ

これは1、5拍子。

これも避けられる。

 

が、

攻め が 打ち

攻めと打ちが一体となり、攻めが効き一本になりやすい。

 

無し

攻めもなく「ここ」というところで無心に出る技。

 

意識してできるのが、がの境地かな。

 

無しの境地は、「不動智」の世界。

 

講習会の最後の地稽古が非常に刺激になりました。

出てよかった。

剣道 最近の自分の稽古10 小手の打ち方1

小手の打ち方 1

前回まで面打ちの解説をしてきました。
今回は小手の打ち方について書いていきます。

 

 

面もそうなのですが、
「打つ」という動作を考えたときに、どんなイメージがありますか?

 

まず面打ちのおさらいです。

 

「上から打て」
これは指導者にいわれた経験のあるかた、多いと思います。
確かに面を打つには上から「打ち下ろす」のが当然であると思われがちです。

 

この指導をされるかたのいいたいことは、
「上から打つ」
ということがいいたいのではありません。

 

中学生や高校生にありがちな、いわゆる「刺し面」はだめだよということ。
あるいは、振りが斜めになっている右手が強いと、どうしても竹刀を右へ引っ張り、右からの打ちになりがちです。

 

それを矯正するための
「上から打て」
なのです。(そうであってほしい)

 

以前、岐阜で講習をされた元全日本選手権優勝者がありました。
中学生を対象に行われた、トップアスリートによる指導の一環だったそうです。

 

そこで、
「面は、面布団を打つ。」
と、かなり深い位置での面布団への打突を指導されたそうです。
かみ砕いていうと、
「物打ちで脳天を打つ。」

 

私の娘は身長140センチ台、小柄です。
講師(185cmほど)の面布団を物打ちでどうやって打つのでしょう?

 

そもそも、面を打つ正しい手の内で、腕を伸ばして40cmの身長差のある面布団に物打ちが当たるのか?

 

少しでも理論的に剣道を考えたことのあるひとなら、不可能なことはわかりそうなことです。
しかし、いつも試合に勝つことばかり考えていると、おかしな方向に剣道が向かってしまう、というよい(悪い)例ですね。

 

娘は、
「私が先生の面を打つのに、先生のいった位置を先生のいったとおりに打つにはどうしたらいいですか?、と質問しようと思ったけど、多分先生無理だからやめた。」
といっていました。

 

「剣道は、剣の理法の修練による人間形成の道」です。
正しい剣道を学ぶと人に対する思いやりが育ちます。

 

逆に、試合にばかりこだわったかたよった剣道をしていると、自分本位で利己的になり正しい剣道を忘れてしまいます。
もちろん、人に対する思いやりの気持ちを持つなんて無理な話でしょう。
いつも人をたたいて勝つことしか考えていないのですから、それも仕方ありません。

 

 

最近では、高校生や大学生・一般の、全国トップレベルの試合がインターネットを通して容易に見ることができます。

 

私もyoutubeを利用して拝見しますが、大会で上位にいく人たちに共通していることがあります。

 

第1に、手元がすぐ上がる(特に左手)こと。
第2は、つばぜり合いから分かれるふりをして、だまして打つのがうまいということです。

 

手元がすぐ上がるのは、打たれたくないから。
本来の剣の理法である、攻め合って我慢して打つことを放棄して、打たれそうならさっさと手を上げて避けにいくのです。
以前は全日本選手権くらいまでの、若い人の試合でしか見ることはありませんでした。
しかし最近では、それを流行らせたひとが八段になり、あろうことか八段戦でも見ることができます。

 

ほんとに、残念です。
この人が勝ってしまうからまたたちが悪い。
連覇してしまったし。
こういう人は影響力が大きいので、もっと剣道について考えて、自分の剣道を見つめ直してほしいものです。
日本の剣道が悪くなってしまいます。

 

「剣道」ではなく「剣道の試合」という別の競技になってきたような気がします。

 

かつて大先生と呼ばれた方々は、どんなに剣道が強くても「試合に勝つ事だけ」に執着されたわけではないように感じます。
もちろん、刀法を絶えず意識されていたことでしょう。
ですから、

 

古い時代、高段者の試合・立会は、相手に打たせず打って勝つ事よりも、
「自分の目指す剣道を体現すること」、
「修行の成果をためすこと」
に重きを置いておられました。

 

よくいわれるように、
「勝って打つ」
を体現しておられたようです。

 

 

話が大きく逸れてしまいました。

話を戻しますと、
「上から打て」についてでした。

 

さて、誠裕館の大塚範士は生前よくいってみえました。
「面は脳天を叩くのではなくて、切っ先で額から切り込むのだ。今の剣道の試合巧者は、試合で一本になりやすいからと面布団を叩けなどといっている。そんなのは面じゃないよ。」

私は道場の子供達に、面を打つときは先革が面縁(面金の廻りの輪と面布団をつないでいる堅い革の部分)に乗るように打つのだと教えています。
大塚範士のいう「額から切り込むのだ。」という位置がここになります。

 

ここに「先革が乗る」ためには少なくとも剣先が一度は面金よりも上がらなくてはいけません。

単純に剣先を面金の高さよりも上げるということを考えたとき、「上から打つ」の教えもあるので、どうしても右手で竹刀を引っ張り上げてしまう事になります。
これが曲者です。

 

剣道の先生方はよく、
「一拍子で打つ。」
といわれます。
私の妻は音大を出てピアノを教えていますが、剣道の先生方がお手本で見せる「一拍子」は全部二拍子だといいます。

 

音楽の指揮者が二拍子を刻むとき、指揮棒は下へおろして上げる動きをします。
剣道でのお手本の一拍子は、竹刀を右手で引っ張り上げて下ろします。
どんなに速くやっても二拍子は二拍子です。

 

右腕で引っ張り上げて右腕で下ろすことは片方の手で逆の動きをします。
上げて下ろす。だから、二拍子になります。

 

片方の手で上げる下げるという二つの動きをするので、スピードをどれだけ速くしてもあまり速くは振れません。
ここで発想の転換をします。
面を打つためには、剣先が面金よりも上がります。
一つの方法は右手で引っ張って剣先を上げる方法。
もう一つは
右手を動かさないで左手を下げる方法があります。
右手を動かさないので左手を下ろせば剣先は上がります。
ここから右手を前に伸ばしていきますと、剣先は下りていきます。
そして面縁に上から乗ります。

 

このときの左手は、構えの位置から一度(数センチ)下ろしたあと、上から柄を押さえたまま、みぞおちまで上げながらのばしていきます。
意識して行わなくても、右手親指を相手ののどに向かって突き出すに従って、自然と前に伸びながら鳩尾の高さに収まります。
右手親指で相手ののどを突くように出すと、自然に小指・薬指・中指が締まる形になります。
上筋が伸び下筋が縮むので手首が利き、強い打ちになります。

 

それぞれの腕が、剣先の上昇(左手)と切り込み(右手)を分担して行うので、逆方向の二つの動きを急速に行う必要はありません。
速く打とうとすれば、左と右のタイミングを極力近づけることでスピードは増します。
逆の動きを片腕でするよりははるかに早いうちができます。
しかも刺し面ではなく、振り幅のある面打ちです。

面打ちのおさらいをすると、以上のようになります。

 

 

さて、本題に入ります。
小手の打ち方です。
小手の場合は面とは違い、竹刀が打つ目標は構えたときの剣先よりも下にあります。
しかし、構えた時の剣先が表(お互いの剣先の左側)で交差しているので、相手の剣先が邪魔になりそのまま下ろしても小手には当たりません。

 

小手を打つためには相手の剣先を、下からくぐるか、上から越える必要があります。

 

まず、相手の剣先を上から越える方法です。

面打ちの時、左手を下に降ろすことで剣先を上げました。
同じように左手を降ろして相手の剣先より上に自分の剣先を持って行きます。
そして、相手の剣先を越えて、右手を落として小手を打ちます。

気持ちは、自分で自分をだますつもりで、
「面を打つ」
と強く念じます。

左を落とし、右も落とす。
小手は両手とも落として打ちます。

小手を打ったあとは竹刀が交錯しないよう、左に剣先を上げ残心を取ります。
小手が外れたら、その場で踏み込みすぐに面を打てるように、後打ちの面をくせにしておくとよいでしょう。

足捌きは、
右のつま先で
「面を打つぞ」
と、そろりと攻め、
足先行しますが手の内は構えたまま、
左手、右手の順で落とすときに、相手の右足を踏むつもりで右足を踏み込みます。

小手打ちの時、姿勢で特に気をつけることは、小手を見るために前屈みにならないこと。
腰から出る事を意識して、上半身をそのままの姿勢で保持します。

 

次は下から相手の竹刀をくぐらせる小手です。

長くなりましたので、次回にまわします。

 

 

剣道 最近の自分の稽古9 当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

剣道 最近の自分の稽古9 当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。

 

当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

調子の良いとき、打った後は自然に、踏み込み後の二次跳躍をして抜けています。

もう少し詳しく書いてみます。

 

前回の書き込みを引用しますが、

 

右つま先の攻めで、滑らせるように前に進み、もうこれ以上我慢できない、
というところで

左拳を落としたら、一瞬の差で右手の親指中指でつくった指パッチンの前段階から、
指パッチンをしていきます。
その時の手の使い方は、親指の先端で相手の突きを狙って前に出します。
竹刀が面に当たったら右親指を緩め、返しをつくると冴えがあるように見えます。
左拳は、始動で落とした位置から鳩尾の前に、右手を突き出していくのと
同じタイミングで、上から押さえた形で持っていきます。
以上が面打ちです。

と書きました。
が、足の方を書いていませんでした。

ここからが足になります。

手の動きに関しては解説しました。
足はというと、剣道の熟練度というか、
子供の頃から剣道をやったか、
大人になってから始めたかの差が出ます。

足の方は、実はつま先から出していき前に攻め、
右足を落として(踏み込み)いきます。

この踏み込みなのですが、
多くの方が右膝の先端のポイントを、床に垂直に落としたとき、
踵の付くポイントが、膝先より体側に戻ってしまう方が多く見られます。

左足の位置で面打ちの竹刀到達ポイントは決まるので、
どこまで届くかという観点では、右膝、右踵がどこにあろうと関係ありません。

膝の真下に踵を付く方はかなり多いと思います。
私は右足を着地させる位置は、バランスを崩さない範囲で、
できるだけ相手に近いところが良いのではないかと考えています。

なぜかというと、打った後の体の寄りが、一歩で大きくできるからです。

右足を着いた後の足については、
私が淺川春男範士に教わった方法がよいと思います。

右足を着いたら着いた右足の腿を使って体を上方に持ち上げつつ、
左足を素早く引きつけながら前方に跳躍し、左足から着地し構えの足位置に、
右足も着地させ、送り足で抜けて間合いがキレたと思われるところで振り返ります。

言葉で書くとこのようになりますが、
別のかたの言葉も載せておきます。

いちに会というホームページを主催しておられる、Hideさんの解説を引用させていただきます。

以下引用

 単発の前方への「踏み込み足」は、基本の足型から、
—————————————————————-
1.左足を蹴り出し(一次跳躍)、右足を重心と一緒に前に送りだす
2.右膝を軽く屈曲させた状態で、指の付け根の足底部分から着地
3.右踵の着地に併せて床を踏み締め、右膝上の大腿直筋を使い、左
足を引っ張り込みつつ踏み込んだ反動で軽く跳躍(二次跳躍)
4.左足を「基本の足型」の予定位置に、指の付け根の足底部分から
着地
5.右足を左足に対して「基本の足型」の位置に、指の付け根の足底
部分から着地
—————————————————————-
ここで大切なのは、「踏み込み足」は一段ロケットではないということです。「右足で左足を引っ張り込む」という動作があるため二段ロケットになっています。上記した通り、左足で蹴り出す動作を「一次跳躍」、右足で左足を引っ張り込む動作を「二次跳躍」と名付けました。 したがって「踏み込み足」を指導する際は、ここまでをひとつの動作として教える必要があります。これを怠るとあとあと「蹴り放し」や「左足の遅れ」が深刻な技術的欠点として残ってしまいます。

引用終わり

という解説をしておられます。

 

稽古をしていてよく思うのは、
せっかく面に当たったのに、途中当たらないと思うのか、中途半端に止まってしまう場面がよくあります。
面が逸れたとき、自分でブレーキをかけてしまい、体当たりに成らない場面もよく見かけます。

打突部位に、当たっても当たらなくても、踏み込んだ後の二次跳躍で左足を素早く引き込み、
その勢いで、体当たりをするか、抜けて振り返る。

これを意識してやっています。

それではじめて、

当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

ができるのです。

剣道 最近の自分の稽古8 打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

剣道 最近の自分の稽古8  打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。

 

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

今回は

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

です。

 

打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

前回、左手を落としての打ち方には触れました。
もう少し詳しく書いていきます。

前回は、
面を打つのに、左手を落とし、右手で指パッチンして、
右手親指で相手の突きを突くようにします。
左手は落としたところから、
鳩尾の前に上から押さえるように持って行きます。
と書きました。
これが面打ちです。

もう少し詳しく書きます。
まず、あまり振り幅のない、速い面打ちについて書きます。
右足を出して構えのままで、相手の体に剣先が触れる直前まで我慢できるのが理想です。
そこから、左落とし・右親指突きを一瞬の時間差で行います。

左拳を落とす量ですが、私の場合は2~3cmです。
そんなに少し?
と思われるかもしれませんが、
それで十分面金よりも上にあがります。
右手は親指と中指でリングを作り、柄に斜めがけして固定する感じです。
丁度指パッチンをする前の状態です。
左拳を落としたとき、右手首は少し回転しますが、同じ位置をキープしてください。
前後上下に動かないようにします。

左拳を落としたら、一瞬の差で右手の親指中指でつくった指パッチンの前段階から、
指パッチンをしていきます。
その時の手の使い方は、親指の先端で相手の突きを狙って前に出します。
竹刀が面に当たったら右親指を緩め、返しをつくると冴えがあるように見えます。
左拳は、始動で落とした位置から鳩尾の前に、右手を突き出していくのと
同じタイミングで、上から押さえた形で持っていきます。

そして、大切なのが、
面は打突部で竹刀を止めるのではなく、あごまで切るイメージで打ちます。
むしろ「打つ」という言葉のイメージは忘れて、
「切る」という言葉を重視して下さい。
冴えのある、強い打ちになります。

以上が面打ちです。
言葉ではわかりにくいかもしれませんが、挑戦してみてください。

私の場合、面を打つときは全てこの方法で打ちます。
面打ちが非常に楽になりました。

 

この面打ちの変形で、もう少し大きく打つ方法があります。
左拳をやや大きめに落とします。
この時、右手を胴の方向に若干引きつけるようにします。
そこから指パッチンをしていきます。

どんな効果があるかは使ってみて試してみてください。
思わぬ使い方があります。
工夫してみてください。

 

打ったとき左手は鳩尾の前に、
右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

の詳しい説明でした。

 

剣道 最近の自分の稽古7 打つときにはまず左手を落とすこと

剣道 最近の自分の稽古7 打つときにはまず左手を落とすこと

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

 

7,打つときにはまず左手を落とすこと

面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

今回は、

7,打つときにはまず左手(左拳)を落とすこと

面・小手・胴の共通部分の最後です。

面を打つとき始動するのはどこですか?

面を打つには竹刀が相手の面金より上にあがり、
少なくとも先皮が面縁革までは届かないといけませんね。
身長差のある場合は面金でも良いと思いますが。

中には面布団を打つなんていうお方もいらっしゃいます。
たいていは体格の良い腕力のある、他人への配慮のない方ですね、はい。

うちの道場の大塚範士は存命中によく、
「剣道をやっているやつの中には、面は面布団を叩くというやつがいる。
それも、全日本選手権で優勝したようなやつがいう。
何もわかっとらん。
面は、左手を浮かせて、脳天を叩くんじゃないんだ。
面は額から切り込むんだ。
だから、面というんだよ。」
と嘆いてみえました。

 

中学生対象のトップアスリート招聘スポーツ講座でのこと。

以前かつての全日本選手権優勝者が来たことがありました。
そこで、
「面は面布団を打つ。」
とやったらしいです。

参加したうちの娘が
「145cmしかないのに、どうやって185以上ある人の面布団を打てるんや?
アホか!」
と嘆いていました。

確かに、身長150センチに満たない女子中学生が、
どうやって185センチの面布団を打つのか、是非解説し、実演してほしかったですね。

目の前にそういう子達がいるのに、
この子が自分の面布団をどうやったら打てるのかという発想ができないのですね。
つまり、自分の話していることの間違いに気付いていないわけです。

中学生は優しいので、
そういう難しい質問は、講師を困らせるだけなので、かわいそうだからしなかった、
という落ちがありました。
全日本選手権優勝者、大丈夫?

そういった剣道の訳の分からん人たちが、試合に強いからといって、
知ったかぶりで解説するというのが、非常に浅はかに思えます。

さて、脱線してしまいましたが、
面を打つには竹刀が相手の面金より上にあがり、
少なくとも先皮が面縁革までは届かないといけませんね。
身長差のある場合は面金でも良いと思います。
ということで、面を打つには剣先が面金より上がらなくてはなりません。
そのために、どんな体の使い方をするかなんです。

竹刀は二本の手で持っています。
構えた状態から剣先を上げるには、3通りの方法があります。

思いつくのは、
1,右手で竹刀を引き上げ剣先を上げる方法
2,右手はそのままで、左手を下へ下ろす方法
3,両方を同時にする方法

だと思います。

変形として、
4,両手を前に出す方法
というのもありますね。
両手で上げる方法です。

私は永いこと、右手で引き上げるか両手を前に出していました。
この、7年ほどは左手を落としています。

面を打つのに、左手を落とし、右手で指パッチンして、右手親指で相手の突きを突くようにします。
左手は落としたところから鳩尾の前に上から押さえるように持って行きます。
コレで面を打ちます。
ですから、肩の高さより上には右手は上がりません。

面打ちが非常に楽になりました。

それ以外の利点を次回書きます。

ですから、足がスタートしても構えのまま我慢した後は、
面打ちのスタートの動作としては左手を落とすことです。

7,打つときにはまず左手を落とすこと

です。

 

剣道 最近の自分の稽古6 右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

剣道 最近の自分の稽古6 右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

今回は6です。

「右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること」

さて、いよいよ打つばっかりになってきました。
しかし、まだ打ちません。

今回は、前回の続きで右足を滑らせて入りますが、
「手はギリギリまで動かさないよ」
ということです。

コレが実はすごく大事なことなのです。
前回は足の使い方だけ書きました。
じゃあ、その時手は何をしているのか?
どうしているのでしょうか。
実は基本的には何もしていません。
構えているだけです。

竹刀の動きで相手の「虚」を造ることもありますが、
基本何もしていません。

なぜか。
「蛇ににらまれた蛙」という言葉がありますが、どんな状況か分かりますか?
蛇が大好物の蛙を見つけたとき、蛙もこちらに気付いていた場合、
どうするか考えたことがありますか?

少しだけ条件をつけます。
蛇も蛙も圧倒的なスピードの差はありません。
ほぼ同じです。

蛇が食欲に負けて、蛙に飛びかかれば、蛙は跳んでくる蛇を見て逃げ切れます。
逆に、
蛙が恐怖のあまり先に跳んでしまえば、着地地点に蛇は襲いかかります。
つまり、先に動いた方が負けます。

いずれ心理戦が始まるでしょう。
あるいは、フェイントの応酬かもしれません。
蛇があきらめて立ち去るかもしれません。
こんな状況が剣道でも起こっています。
特に、年を重ねると圧倒的なスピードの差はなくなります。
経験の差になってきます。
どれだけ剣道の理合いを考えているかの差かもしれません。
スピードをつけることより、動きの無駄を削ることになるでしょう。

そんなことを踏まえての、
「右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること」
です。

 

剣道 最近の自分の稽古5 左足で間を盗み、右足で攻めること

剣道 最近の自分の稽古5 左足で間を盗み、右足で攻めること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

 

 

4,左足で間を盗み、右足で攻めること
5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

 

今回はいっぺんにふたつ解説します。

4,左足で間を盗み、右足で攻めること
5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

右足と左足の役割です。
それが理解できれば、このふたつがどうやって調和をとるのかに進みます。

構えの足の形ですが、
「右足と左足は左右の間隔がげんこつ一個ほどになるように、」
と教わると思います。
以前は私も、ちょうどげんこつ一個ほどの広さでしたが、
最近ではもう少し広めにしています。

何でといわれても特に理由はないのですが、股関節から真下に下ろすと、広すぎますので、中間にすると、そんな位置になるからでしょうか。
げんこつ一個の広さだと、すぼまるような気がします。

前後の位置関係は、右足のかかとの先端に左足のつま先が来るほどの位置。
が基本だと教わります。
しかし、実際もっと広いかたが多いようです。
私は基本形を、右のかかとの最後尾に左足のつま先としていますが、打つ直前には右足の中間あたりまで左のつま先は出ています。

それは、面のどこまで届くかは左足の位置によって決まるからです。
左足で体を押し出して打つ関係で、どうしても届く間合いは左足の位置に左右されます。
最近、触刃の間合いからほんの少し入ったくらいの間合いから打つことが多いので、このあたりに左足のつま先が来ます。

最近の稽古ですと、自分と互角ぐらいか下の人と稽古をするときは、非常に遠い間合いから攻める気持ちでやっています。

なぜならば、触刃の間合いであれば面に届くからです。
左足が右足の中間あたりまで出ていれば、普通に構えた一足一刀の間よりも近い打ち間ほどになっています。
しかし、相手が普通の足であれば届きません。
私は届きます。

繰り返していいますが、相手は歩幅が広く私は狭い。
自分からは届くが相手からは届かない間合いにいます。

間合いが遠いので、相手は長い道のりを跳んできてくれます。
私が打つときは、遠くに見えても間合いは実は近いので速く打てます。
そう思ってやっています。

コレが、「左足で間を盗み」です。
そして、
「右足で攻める」
です。
私は「気持ち」としての攻めは、前回書きましたように、
自分が主人公でストーリーを造って行きます。

攻めるとき使う部分が私は右足で、つま先を前に進めることが、私にとって「物理的」に攻めることです。

攻め口として、つま先を絶えず意識しています。
私にとってつま先を入れていくことが相手に突破口を開くことなのです。
もちろん、竹刀の動きも併用するのですが、あまり意識しません。

高段者の先生方は、
少々の竹刀の圧力や剣先で攻めを効かせても、知らん顔で通用しません。
動いてくれません。
攻めの側面として、相手に「四戒」を起こさせることがありますが、
剣先の攻めくらいでは、四戒に陥ってくれないのです。

竹刀の攻めでは動じてくれない。
では、どうすればいいでしょう?

「虚実」の戦いに持ち込みます。
虚実の戦いについてはまた後日ということになりますが、
虚実の戦いへの導入部分として、右足での攻めがあります。

左足は1~2cmかかとを上げ、しっかり床を踏んでおきます。
右足は足の裏全体をわずかに浮かし、前にそろりと進めます。
緩急自在。
左足は右足の中間あたりに持ってきてあれば、触刃の間合いからなら面に届きます。
右足の床からの距離は1cm程でしょうか。

イメージは
「機会が来たらそのまま下に踏む」
です。

相手は私の動きのどこかで何かを感じ、打突の動作に入るか、避ける体勢になります。
その時こちらはすでに上げている足を、「落とす」だけ。
事前に上げてある足を「落とせば」踏み込みになるという発想です。

相手はこちらの動きを「見て」あるいは「感じて」何かをしようとする。
こちらはそれに対し、読み通りであればそれに「先先の先」で応じ、
思わぬ動きであれば、反射的に「後の先の」技を出すだけです。

相手は、こちらをみて、足を上げて下ろす。
こちらはあらかじめ足を上げて入っているので、
読み通りであれば「先先の先」、
読みと外れて思わぬ動きならば反射で「後の先」です。
時間的には私の方が有利なはずです。

そんなことを考えて、

4,左足で間を盗み、右足で攻めること
5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

を心がけています。