館長の剣道修行(10) 岐阜北高校剣道部 その2 国体強化練習とタコ踊り

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岐阜県立岐阜北高等学校に進学しました。

 

合格発表当日校門につくと、剣道部顧問の大杉二郎先生が待っていらっしゃって、

「合格おめでとう。明日から稽古に来いよ、松葉くんも一緒に。」

と、私の合格と中学の剣道部で一緒だったライバル兼一番の友達、松葉の合格も同時に知らされました。

さらに、小学校六年時、私が道場を移ってすぐ行われた土用稽古最終日の学年別試合優勝者、堀も同じく岐阜北高に合格していることがわかりました。

彼は中学時代、部活の帰り道、ちょうどひったくり事件に遭遇し、ひったくり犯を取り押さえ警察官に引き渡したという武勇伝の持ち主でした。

堀は身長があり、剣道は正統派で強い剣道です。構えがしっかりしていて、中心を外さない。鋭い構えのまま、真ん中を攻めての面が得意技。もちろん、一通りの応じ技もこなします。

松葉も遠間からの面が得意ですが、堀はまた違ったタイプの強さがあります。

 

実は私たち3人は密かに、「3年になったらインターハイ狙える」そう思っていました。

あとから聞いた話ですが、大杉先生も「こいつらが3年になった時には絶対インターハイに連れて行く」と考えておられたそうです。

 

高校のころどんなことがあったか、いくつか思い出すことを書いていきます。

 

インターハイ予選は3年生主体のチームで、私には関係なく終わりました。そのインターハイ予選のあとだったと思いますが、国体候補選手の強化練習が私たちの高校でありました。顧問の大杉先生が少年男子の監督を務めておられたので北高での練習会となったのでした。

私たち部員も国体候補選手に混じって稽古をさせてもらいました。 その中で印象に残っていることが一つだけあります。

ちょっと変わった試合練習でした。過去の試合成績などから、ランク付けされただいたい6~7人のグループに別れ、一本勝負の勝ち抜き試合を行います。下のランクで5人勝ち抜けば上に上がれます。何回か連続で負けると下に落ちます。最上のグループで勝ち抜いたら面を取って休憩できます。

そんなルールで試合を始めます。私たち北校生は自分の好きなグループに分かれて入ります。私と松葉はだいたい最上のグループに入りました。そして、はじめに面を取って休むのが私。松葉は私が試合をしているうちは試合をしないで、私が勝ち抜けたあと5人抜きをします。

はじめに面を取って休むのは、国体強化メンバーではなく、私と松葉でした。

いまはこれが1年の時だったか、2年の時だったか記憶が定かではありません。たぶん、1年だったと思いますが、両方だったかもしれません。

短い時間の試合練習で速く一本を取るというのは、私の得意とするところでした。初めて私と戦う相手は、足を使い翻弄し、速い攻めから打ち、さらに打ち始めたら技をつなぎ、しかも反撃しようとすると打ち合いの中でも応じ技があるという剣道に、試合開始直後は突然の猛攻に対応しにくいので面食らってしまうのでした。

今でも、私が子供たちに教えている剣道の原点はここです。

 

足捌き。無駄なく素早い足捌きが出来ることは大きな武器です。

あと打ち。相手が出ようとすれば打つ、下がれば打つ、避ければ打つ、そして外れたら打つ、当たるまで打つ、一本取るまで打つ。相手の打ちには必ず応じ技、そしてそれが外れたらやはり当たるまで打つ。

なかなか出来ませんが、徹底的にこれら二点を意識します。

今時の中学生がよくやる、「三所隠し」という反則がありますが、私たちの教わった雙柳館では、範士八段淺川春男先生に、そんな格好は「タコ踊り」だといわれました。

 

 

しかし、今では全国の警察官が広めた「タコ踊り」が大流行で、中学生は反則とはなっているものの、厳格に反則をとれる審判が少なくて、ましてや中体連の先生方では全く役に立ちません。

高校になれば反則でなくなるので、「タコ踊り」が中段の構えに変わる新しい構えのようです。お互いに「タコ踊り」から鍔ぜりになり、鍔ぜりからの分かれるふりしてのだまし討ちが、高校生上位者の試合決着パターンになっています。

「タコ踊り」は中学・高校に収まらず、大学生も全盛です。

当然、全日本剣道選手権(警察官)でも大全盛。

世界剣道選手権でも「タコ踊り」は日本(警察官)と韓国のお家芸となっていますね。

 

むしろ、武道の精神や刀の操法を重んじるヨーロッパ諸国が本来の剣道を尊重し、警察官のお家芸である「タコ踊り」のような恥ずかしい剣道はやらない傾向です。

柔道はオリンピック競技になり柔道が柔道でなくなったといわれますが、剣道は全く逆です。

剣道は日本(主に警察官)自らが勝ち負けにこだわるあまり、韓国と共に本来の刀の操法・刀を意識した件の理法を忘れ「タコ踊り」の道を選んで邁進しています。剣道界を引っ張っていくべき警察官が最も多く「タコ踊り」を実践し、広めています。

 

私たちが高校の頃はまだあまりいなかったと思います。先生が「タコ踊り」はイカン、としかってくださっていました。

 

話はそれましたが、国体候補選手の強化練習の思い出でした。