剣道 最近の自分の稽古6 右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

剣道 最近の自分の稽古6 右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

こんな方にお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

面を一本打つまでには、

1,すらっと立つこと

2,絶対に下がらないこと

3,必ず自分から先をとって攻めること

4,左足で間を盗み、右足で攻めること

5,左足をしっかり踏み、右足から動くこと

6,右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること

7,打つときにはまず左手を落とすこと

8,打ったとき左手は鳩尾の前に、右手は親指が相手の突きを突くように指ぱっちんをすること

9,当たっても外れても(避けられても)打ち切ること

 

今回は6です。

「右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること」

さて、いよいよ打つばっかりになってきました。
しかし、まだ打ちません。

今回は、前回の続きで右足を滑らせて入りますが、
「手はギリギリまで動かさないよ」
ということです。

コレが実はすごく大事なことなのです。
前回は足の使い方だけ書きました。
じゃあ、その時手は何をしているのか?
どうしているのでしょうか。
実は基本的には何もしていません。
構えているだけです。

竹刀の動きで相手の「虚」を造ることもありますが、
基本何もしていません。

なぜか。
「蛇ににらまれた蛙」という言葉がありますが、どんな状況か分かりますか?
蛇が大好物の蛙を見つけたとき、蛙もこちらに気付いていた場合、
どうするか考えたことがありますか?

少しだけ条件をつけます。
蛇も蛙も圧倒的なスピードの差はありません。
ほぼ同じです。

蛇が食欲に負けて、蛙に飛びかかれば、蛙は跳んでくる蛇を見て逃げ切れます。
逆に、
蛙が恐怖のあまり先に跳んでしまえば、着地地点に蛇は襲いかかります。
つまり、先に動いた方が負けます。

いずれ心理戦が始まるでしょう。
あるいは、フェイントの応酬かもしれません。
蛇があきらめて立ち去るかもしれません。
こんな状況が剣道でも起こっています。
特に、年を重ねると圧倒的なスピードの差はなくなります。
経験の差になってきます。
どれだけ剣道の理合いを考えているかの差かもしれません。
スピードをつけることより、動きの無駄を削ることになるでしょう。

そんなことを踏まえての、
「右足を滑らせ入り、ぎりぎりまで手の動きを我慢すること」
です。

 

剣道 最近の自分の稽古2 すらっと立つ

剣道 最近の自分の稽古 2 すらっと立つ

 

最初にお断りします。
これからこのブログにに書いていくことは、剣道を学ぶ上で正しいことではないかもしれません。
今までに色々書かれた剣道の指導書の内容を否定するものでもありません。

一人の剣道愛好家が自分を実験台にして、試行錯誤して得た過程に過ぎません。
もう何年かすれば、違うことを言っているかもしれません。
ですから、あえて結果ではなく過程なのです。

そんな程度のことだと思って読み飛ばしてください。
でも、「結構これ良いかも」、なんて思ってくださったら幸せです。

 

こんな方にはお勧めです。

大人になってから剣道を始められたかた。
中年の剣道愛好家のかた。
女性の剣道愛好家のかた。
五十肩の剣道愛好家のかた。
膝が痛い剣道愛好家のかた。
体力に自信がないけど剣道をやりたい、やっているかた。
永く剣道をやりたいかた。
今の自分の剣道に行き詰まっているかた。

これからこまめに書いていく予定です。

 

1,すらっと立つこと

これだけ見ると、
「なんのこっちゃ」
と思われるでしょう。
丹田に力を入れ、おしりの穴をきゅっと締め、
左足は道場の床に根が生えたようなイメージで立つ。
というような、構えについての表現を読んで、自分でもやろうとしたことがあります。

全部ではなくて、
丹田に力を入れるとか、
おしりの穴を締めるというのは聞いたことがあると思います。

 

いろいろな表現で構えについて書かれているものがありますが、
自分としては、体を上手く使うにはどうしたらいいのだろう。

そんなところから考え始めました。
相手を遠山の目付で観て、相手の動きに対して自由に動こうと思ったら、
力を入れていたら動けないと思いました。
力を入れていたら、一回力を抜かなければ動けない。

力を入れるということは、方向があります。
どちらかの方向に力を入れるわけです。
しかし静止している。
筋肉に力を入れながら逆の力も加え動かないように打ち消して、構えているわけです。

「立つ」という体の使い方は、重力に対しての反発力で立っています。
力を入れていないようでも、両足には体重を支える力が働いています。
そうやってバランスをとって静止しています。

「丹田に力を入れる」
へその下を意識するくらいのことではないでしょうか?
本当に力を入れてしまったら、動くためには緩めなくていけないような気がします。

おしりの穴もそんなに意識していなくても、
普通にしまっていれば良いような気がします。
なにより、感じるのは、力を入れるということは
「かっこわるい」
ような気がします。

済みません、イメージで。
私が武道に対して持っているイメージなのですが、
筋力・腕力・脚力・力を入れてのスピード、渾身の力、
そういった体の使い方とは違った、体の別の理屈を使うのではないかと思います。

相手との、ほんのちょっとの時間の差を作る。
相手の意識していないところの動き(虚)を誘い出して、実で打つ。
相手の「剛の技」に対して、「柔の技」で捌く。
いくつかの関節が連動して動くときの、関節角度の逃げや、たわみ等、
そういったものを使っていくのが武道としての剣道じゃないかと思います。

素手で行う武道では、
どんなきれい事をいっても体格差が圧倒的にものをいいます。
剣道では道具を使うぶん、体格差は克服できる範囲になります。

力に頼らない、スピードに頼らない、体格に頼らないそんな剣道がしたいと思います。

話は回り道しましたが、何を言いたいかというと、
こんなことを剣道で表現したいのです。

それは、
力を入れず強い打ちができる。
力を入れずスピードが出る。
つまり、
筋力・瞬発力がなくてもスピードがでる。
力を入れなくても、大きな力が相手に伝わる。
相手の反応が遅くなる。つまり、相手が気付くのが一瞬遅れる。
そんなことを目指したいなと。

その第一弾としての、
1,すらっと立つこと
です。

すらっと立つことは、全く力が入っていないわけではありません。
先ほども書いたように、重力に耐え、体重を支えています。
十分力は入っています。
それを忘れて(力を抜いた状態で)、たとえ背が低くても、自分はすらっと立っている。
そうイメージしたいです。

「重力」はだれにでも均等にかかっている力です。
体重の重い人ほどたくさんかかっているような気がしますが、それは無視してください。

下に向かって動くときの、重力による加速度は同じです。

自分の持っている重力によるエネルギー(位置エネルギー)を意識したいのです。
背の高いやつの方が有利じゃないか?
そういう誰かとの比較を考えません。
自分には位置エネルギーが有るということだけ考えます。
そこに働く重力は同じで、しかも下向きに働く力は重力しかありません。
どんなに頭上の空間を手で押しても下に落ちるスピードはかわりません。

すごい筋肉隆々の力持ちや、稽古を子供の頃からバリバリやった警察の猛者の人たちは、
そんな重力のような、だれでも平等に持っている力なんかには頼りません。
鍛え上げた筋力と瞬発力を使います。
なぜなら、そこの勝負であれば私たちに負けるわけがないからです。

ですからこそ、我々のチャンスです。
そう考えましょう。
私たちには平等に重力があります。
ですから力を抜いて、すらっと立ちます。

そして、その姿にこそ位置エネルギーが満ちあふれていると信じましょう。

まずは、ここまでです。